薬学部生命物理化学担当の小野哲也准教授の研究が、国際的な学術雑誌に掲載されました。　小野准教授は、血糖値測定や水質検査などに利用されている電気化学分析手法と主に有機合成化学分野で利用されている有機触媒であるニトロキシルラジカル化合物とを組み合わせて、新しい原理に基づく分析手法を構築し、生体内酵素の一つであるアセチルコリンエステラーゼの活性測定が可能であることを明らかにしました。

　この分析手法は肝疾患、心臓疾患などの診断や、アルツハイマー病の治療薬開発のための評価や多くの化合物に含まれるヒドロキシ基やアミノ基などの官能基変換を伴う様々な酵素反応に応用が可能です。そのため、医療のみならず工業や食品化学などの様々な分野での発展が期待されます。

著者：Ono, T. , Terasaki, T., Domon, R., Miho, O, Yoshida, K., Takahashi, S., Dairaku, T., Kashiwagi, Y., Sato, K.

題名：Measurement of acetylcholinesterase activity by electrochemical analysis method utilizing organocatalytic reactions

掲載雑誌：RSC Adv. 2025, 15, 32464-32469. doi: 10.1039/d5ra04585a.