歯学部
- 息さわやか!口臭の正体とその予防
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廣瀬 公治 教授
口臭は「口を通って出る社会的容認限度を超えた不快なニオイ」と定義されています。口臭の原因のほとんどは口の中にあります。ですから、口臭が強い人は歯周病のような病気があると推察できます。一方、糖尿病のような全身性の病気がある人には、ある種特徴のある口臭が見られることがあります。この講座を聞いて口臭の正体を知り、その予防法を考え、いつも息さわやかなお口を目指しましょう。
- 歯はなぜあるの?-歯の役割を進化の過程から分析する-
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木村 裕一 教授
なぜ、口のなかに歯があるのか、その存在理由について、進化の過程から考えてみましょう。歯は主に魚類、爬虫類、哺乳類にありますが、すべて同じ役割をしているのでしょうか。進化してきた過程でどのように変化してきたのでしょうか。哺乳類のなかでも最も進化した人間での歯の役割はどうでしょうか。そして歯がなくなってしまったらどうなるのかについても考えてみましょう。
- ミクロの決死圏 2014―病気からヒトを守る仕組みの最先端―
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清浦 有祐 教授
ノロウイルスやインフルエンザウイルスのような微生物は、病気を起こします。しかし、微生物が感染しても常に病気が起こるわけではありません。ヒトには微生物の感染から、体を守る仕組みがあります。特に注目されるのが、「トールライクレセプター」という白血球が持つレーダーで、体内に侵入した微生物を発見する役割があります。このレーダーに焦点を当てて、ヒトの体がどのように守られているかをミクロのレベルでお話します。
- 歯医者さんで使う歯科材料あれこれ
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川島 功 教授
今どきの歯医者さんが治療に使う道具や材料にはどんなものがあるでしょうか。結構面白いものやユニークなものが使われています。来院時には歯の痛みでこれらのものまで目に入らないし、興味もわかないでしょう。光で固まるプラスチックやゴムのような弾性を有する金属線など歯医者さんも日進月歩の材料や機器を使っています。これらの概要についてお話します。
- どうして「いびき」を掻くのでしょう
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髙田 訓 教授
「いびき」は癖?遺伝?習慣?それとも歳をとったから?もしかすると気づいていないだけで、誰もが掻いているのかもしれません。起きている時に息の音は聞こえないのに、寝ている時に色んな音や大きさのいびきが聞こえるのは何故でしょう?実は、医学的にいびきを掻きやすい人と掻きにくい人が解ってきました。そして、いびきが病気のサインであることやいびきとダイエットには密接な関係があることも解ってきました。
- ミクロから見た人体の世界
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渡邊 弘樹 教授
人体を構成している構造を、肉眼レベルから顕微鏡レベルへと解析すると、消化器系などと呼ばれる器官系から、口腔などの器官、組織、細胞、細胞内小器官、膜成分、分子、そして原子へと細分化される。生命の最小構成要素は細胞であり、これが組み合わさり組織となる。本講座では、このうち光学顕微鏡と電子顕微鏡とによって示すことができる細胞内小器官を含む細胞レベルと組織レベルのお話を、画像を使って初歩的に解説したい。
- 歯を抜いた後はどうやって治療するのか?
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山森 徹雄 教授
国民の歯を守ることは私たち歯科医師の役目ですが、不幸にしてう蝕や歯周病、外傷などにより歯を抜かざるを得ない場合もあります。歯を抜いたまま放置しますと、噛めない、しゃべりにくい、見た目が悪いといった問題が発生するばかりでなく、他の歯や歯並びが悪くなったり、顎の調子が悪化したりすることもあります。授業では、このような状況を改善、予防するための様々な治療法についてお話します。
- 歯・口の健康づくりは生活習慣病予防の第一歩
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瀬川 洋 教授
むし歯や歯周病は、暴飲暴食や不規則な生活などの日常の生活習慣の乱れにより発症します。しかし、生活習慣の改善は、自分自身では気がつきにくく、改善しにくいものです。そこで、生活習慣セルフチェックシートを使って自分自身の生活習慣のリスクをチェックしてみましょう。
- 歯から健康、だから禁煙
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瀬川 洋 教授
高等学校は「学校」という場において集団としての保健教育・保健管理を行うことができる最後の段階であり、成人期の入口であるこの時期に望ましい生活習慣などを確立することは将来の生活習慣予防の観点から極めて重要です。また、喫煙問題では喫煙する高校生は学年が進みにつれ増加傾向にあり、高校3年では男子は半数以上, 女子は3人に1人以上が喫煙を経験しています。今高校生に必要な歯科保健教育ならびに喫煙防止予防策についてお話しします。
- 噛ミング30(カミングサンマル)でいつまでも歯っぴい
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瀬川 洋 教授
「よい歯で よくかみ よいからだ」は「歯の衛生週間」でお馴染みの標語です。よく噛んで食べると唾液の分泌が促進されます。また、より健康な生活を目指すという観点から「一口30回以上噛む」ことを目標とした「噛ミング30(カミングサンマル)」という運動が展開されています。生きる基本である噛むことの効用について学びましょう。
- 口の中の癌とは
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金 秀樹 准教授
口腔がんとは、その名の通り口の中にできる悪性腫瘍の総称です。癌は体内の様々な場所に発症する可能性がありますが、口の中に発生するがんで最も多いのが「舌癌」で、口腔がんの約60%を占めています。口腔がんに関しましては早期発見が重要であり、診断が遅れることにより治療法や予後が大きく変わります。口腔がんは目に見える場所に発生するため意外と理解していれば一般の方でも早期発見が出来る場合があります。今回早期発見の簡単なコツなどを紹介させて頂きます。
- 歯科の科学と身近の科学
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岡田 英俊 准教授
歯科では様々な科学を応用して治療をします。また、みなさんの身の回りにもたくさんの科学が応用されています。歯科で使用されている材料、器械、技術はみなさんの身の回りの科学と共通点がたくさんあります。今回はその科学をいくつかご紹介したいと思います。歯科治療を受けるときの診療室がいつもと違って見えてくるかもしれませんよ!
- 歯科医師の仕事─遺体の身元確認への貢献─
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板橋 仁 講師
東日本大震災では多くの方が津波の犠牲となりました。ご遺体の身元確認に際して本人かどうかを見分ける最終的な手段はDNA型鑑定によりますが、鑑定には時間がかかることもあり、歯科的所見すなわち「歯型」による確認が行われます。その重要な役目を担うのは、実は我々歯科医師なのです。先の震災においては奥羽大学も検死チームを現場に派遣して、身元確認のための一翼を担いました。
本講座では、当時の経験を踏まえながら、遺体の身元確認に携わる歯科医師の責務について考えたいと思います。
- 歯並びを治す─歯を動かす矯正の仕事─
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板橋 仁 講師
矯正歯科治療は一般には「歯並びを治すもの」と解釈されています。歯を動かすときには「動かしたい歯だけを動かして、動かしたくない歯は動かさない」という、ちょっと当たり前のようなことがとても大事になります。なぜなら「歯は動くもの」であり、そのための力をかける時には、必ず作用─反作用の法則が成り立つからです。
矯正歯科治療は歯だけではなく、特に発育期の子供では顎の成長をコントロールしながら、顔全体について考慮しながら治療を進めるものです。
本講座では、矯正歯科治療について紹介しながら、歯が動くメカニズムについて考えたいと思います。
- 歯ならびを治すとどうなるの?
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松山 仁昭 講師
歯列矯正の装置をつけている患者さんを学校や街中で見かける機会が多くなりました。しかし、歯を動かす方法や装置、治療後にどのような効果があるのかについてはあまり知られていません。矯正歯科における最新の治療法を紹介し、早期治療の必要性や悪い歯並びにならない方法についても分かりやすく解説します。
- 本当は怖い、口の病気
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濱田 智弘 講師
大きな虫歯があったけど放っておいたAさん。朝起きると顔が大きく腫れていました。午後には首まで腫れてきて食事がとれなくなり、そのうち呼吸困難に。Aさんは「蜂巣炎」を発症していたのです。Aさんは口腔外科で入院することになりました。
舌の口内炎がなかなか治らないけど放っておいたBさん。だんだん大きくなってきましたが自分で軟膏を塗って様子をみていました。実はBさんの病気は「舌がん」。Bさんは口腔外科で手術をすることになりました。
口の中には虫歯や歯周病以外にも様々な病気ができます。入院や手術が必要なものも多いです。放っておくと、大変なことになりますよ!
- 最近、笑っていますか?~笑顔は口元から~
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川原 一郎 講師
皆さんこんにちは。突然ですが、最近、笑っていますか?笑うことを忘れていませんか?「笑う門には福来たる」・・笑いの絶えない人には、自然と幸せがやってくる。昔の人はうまいこと言ったものですね。
笑いには様々なパワーがあります。健康増進、ストレス軽減、円滑なコミュニケーション、アンチエイジングなど・・・科学的にみてもいいことばっかりなのです。実は、私たち歯科医師も笑いと密接な関係がある職業です。そんな「笑い」のある話を、始めま笑(しょう)。
- カエルの面にトウガラシ―カエルをモデルにした痛覚研究最前線
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古山 昭 助教
トウガラシがたっぷり入った鍋を食べると、暫く口の中がヒリヒリしますね。辛味は痛みに近い感覚です。実際、トウガラシの辛味成分であるカプサイシンを皮膚に塗るとヒリヒリとした痛みを感じ、その部分にお湯をかけたり、つついたりすると、痛みに敏感になっているのが分かります。ではこのカプサイシン、カエルにとってはどのように感じられるのでしょうか?どうやら、ヒトと同じでヒリヒリとした痛みを感じるようです。しかしヒトと違うのは、ヒリヒリした部分はつついたりする刺激には敏感になっていますが、熱刺激に対する感受性は変わらないようです。カエルを使った研究によって痛みを感じる仕組みについて何が分かるのか、お話しします。
- 口の渇き、舌のしびれが気になりませんか?
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髙橋 進也 教授
口が渇いたり、舌がビリビリと痺れるような経験はありますか?生活習慣やストレスを含めた心と体のバランスのくずれ、バイ菌や全身疾患の病気など原因は様々です。このような症状が持続すると日常生活を送る上で非常に辛く、QOL(生活の質)の低下に大きく関与します。また、周りの人にもなかなか理解してもらえない病気です。ここでは、口の渇きや痺れの原因、体や口にどのような影響を及ぼすのか、どんな治療法があるのかをお話します。